昔読んだ本に明治のある老婆の話がありました。

 

その老婆は江戸幕末期の侍の姿を回想して、

「そりゃ、侍は全然わしらと違って雨が降っても走らないし、辻角を

曲がるときも、前を見据えて直角に曲がる」というようなこと話して

います。

 

侍は侍としての威厳を保たねばならない。

 

それが侍をつくる。

 

 

 

一方で、こんな話も思い出します。

 

幕末維新が終わり、日本は新政府の体制作りに懸命でした。

中央、地方で行政組織を‘突貫工事’で整えねばなりません。

人材がいない!

 

そのため、さして維新の時にも活躍のなかった無名の人物でも

行政の要職に登用されました。

中には人物風采に疑問符が付く人物もおりました。

 

新政府の今でいうところの人事担当者が、確か大久保利通

(すいません記憶定かでありません、いずれにせよ政府の高官です)

に対し「候補者Aはどうにも役職に相応しい威厳がない」

と困り顔で相談。

これに答えて大久保は「そのものを体裁の良い馬車にでも乗せて、

東京の街中を一日回らせれば、自然と威厳などつくものだ」

と答えています。

 

以上、威厳についてとりとめのない話をしてしまいました。