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「いき」の誕生 [幕末 江戸]

 

 

 

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臨時出店します。どうぞ宜しくお願いします。

 

 

辰巳芸者.jpg

 

 

「バブルファッション:じわじわと スタジャンが若者に再燃」

毎日新聞にこんな見出しの記事がありました。

 

スタジャンに限らずバブル時代のファッションが注目されている

ようです。

バブル期のファッション・・・DCブランド、かなりワイドな肩パット、

女性の太い眉毛と真っ赤な口紅、クルクルヘアー、

強烈なイラストプリントなどなどでしょうか!?

 

江戸でバブルといえば華やかな元禄期(1688~1704年)バブル。

十七世紀末、元禄の世。

富裕な豪商たちが主役となり、奢侈な風俗を誕生させます。

遊里に入り浸る新興の富裕商人たち、芸事に溺れ身を滅ぼす

二代目の若旦那。

紀伊國屋文左衛門などよく知られた元禄商人ですね。

 

以前書きましたが、17世紀に「徳川の平和」を背景に、市場経済の

浸透、婚姻・夫婦の時代到来による人口の急増、耕地面積の拡大など

により江戸の経済は大きく成長します。

 

元禄は高度経済成長を甘受した富裕商人層が演出した華やかさが

ありました。

 

ただこの時代は、これぞ江戸ファッション!ともいうべき江戸固有の

ファッションはまだ見られず、京都風のいでたちが流行の中心でした。

 

18世紀に入るごろから、さすがの経済成長も頭打ちとなります。

加えて財政難に苦しむ幕府は緊縮政策を実行していきます。

貨幣の改鋳、贅沢禁止令・・・

 

バブルがはじけ、江戸文化の様相も変わります。

特権的な商人にかわって、小売商人や職人が進出し、町人らしい町人を

基盤とする江戸文化が誕生していきます。

 

「既説 日本服飾史」という書物にこんな文章があります。

 

「江戸後期には、それまでの上方風の好みとは異なる江戸風の好みが

江戸町人の間に生まれ、やがてそれが「いき」の美意識を成立させた。

多彩で華やかな紋様とは違って、茶・鼠・青を基調とする渋い色合いの

無地や縞や小紋に、黒を効果的に取り合わせるなど、抑制のきいた

外見をもち、内側の衣服に華やかさを秘める好みである」

 

手ぬぐいなどでもお馴染みの江戸柄の誕生ですね。

 

同書によれば、渋い色合いの無地や縞、細密な小紋は江戸の前期には

若い女性の衣服に好んで使われるものではなく、男性もしくは年配の

女性が着るものであったそうですが、18世紀の中ごろから一部の町人

の女房やいさぎよい気風を売りにする江戸深川の芸者衆が着はじめ、

その後一般の女性の間に広まっていったようです。

 

このころには男女の間での衣服の交換・共有もあったようです。

ユニセックス仕様ですね。

 

ただ茶や鼠など地味な色合いと一口でいっても、当時の色合いの

多様さに驚かされます。

 

四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)という言葉が

あります。

 

江戸の人たちは茶や鼠色といった色のなかにも極めて微妙な色調の

違いを取り入れ、四十八茶百鼠と言われるほどの多様な色を生み出し

ました。

 

当時の染物職人さんは、色名を言うだけで見事に染め分けたそう

ですからみごとというほか言葉が見つかりません。

 

 

今景気回復を伝えるニュースも少しずつですが目につき始めています。

平成ファッションにも今後変化がみられるのでしょうか!?


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