江戸のお仕事あれこれ [幕末 江戸]
時代劇に登場する江戸のご商売をちょっとご紹介。
髭の町医者:
江戸時代には医師の資格制度は無かったですので、誰もがなれる
職業でした。
ただ当然ながら、誰もが町医者になれても、誰もが成功できる訳では
ありません。
有名な私塾で学ぶ、高名な医者に医学を学んだといった経歴が、
患者の信用を得るためにも大事でした。
医者は江戸期にあって、封建的身分制度を乗り越え立身出世できる
職業で、町医者でも腕前・評判次第では将軍さまの奥医師になる
チャンスがあったようです。
イケメン飛脚:
時代劇のワンシーンでたびたび登場しますね。
飛脚には幕府や各藩からの仕事を請け負う公用の飛脚とその他に商人
など一般人向けの飛脚(町飛脚)がいました。
当時江戸の旅人は江戸京都間の492㎞を2週間前後で歩いたそう
ですが、飛脚の超特急サービスを利用すれば、なんと4日で手紙や荷物
を送り届ける事が出来たそうです。
宿場町で待機する飛脚達がリレー方式で荷物をバトンタッチ!
裕福な呉服屋:
「○○屋、オヌシモ悪ダノー!」
江戸に大店を構えた呉服屋は三井越後屋、下村大丸屋、大村白木屋が
有名。
呉服販売はもともとお武家さん相手の掛売り(クレジット取引)、訪問
販売が普通であったが、三井越後屋がこの掛け値(売り掛けのリスク分
を価格に上乗せ)での販売方法を改め、「現金掛け値なし」町人相手の
現金商売を店頭で始めてこれが大ヒット。
以後(1690年ごろ~)呉服屋は現金商売が普通になったそうです。
三井越後屋は今の三越、下村大丸屋は大丸、大村白木屋は東急百貨店
として存続しています。
他に時代劇には目立った登場はしませんが、
リサイクル都市江戸の面目躍如たるお仕事を二つご紹介。
肥(こえ)取り:
下肥は化学肥料が無い当時、農民にとっては貴重な必需品でした。
彼らは下肥の確保のため江戸近郊から肥桶を担いで汲み取りに来ました。
長屋住人の糞は家主さんの所得と決まっていたそうで、大家さんに
とって貴重な収入源(大家さんは近郊の農民と契約、長屋の住民一人分
の糞をいくらで農民に売るか取り決めていました)だったそうです。
川柳を一つ。
「肥取りへ しり(尻)が増えたと 大家言い」
蝋燭の流れ買い:
溶けて流れた蝋燭を買い集める商売です。
蝋燭は当時かなり高価で、普通の庶民の家で蝋燭を使用することは
あまりなかったそうです。
蝋燭を使うのは料亭や遊郭あるいは武家屋敷ぐらいで、庶民は主に行灯
(あんどん)を使っていたようです。
行灯は小さなお皿に油と灯心を入れて火を灯す簡易な照明道具です。
美女が化け猫となって、行灯の油をペロリペロリの場面にも使われますね。
以上、江戸のお仕事ちょっとご案内でした。
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